speak fondly.....? 02


「じゃあ、また明日ね!」

夕暮れの前にナッツハウスを後にして、5人はほっとため息をついた。

「どうなるかと思ったけど…みんな、ありがとね」

控えめに言うのぞみに、4人はにっこりと笑顔で返す。

「もうちょっとだもんね!途中でバレるわけにはいかないよね」

「そうよ、のぞみさん」

「驚かせるって決めたんでしょ?私たちもできるだけ協力するから…頑張りましょ、のぞみ」

「そうですよ!頑張りましょ、のぞみさんっ」

囲うように笑顔が並ぶ。いつもなら嬉しいのに、今日はなんだか恥ずかしい…かな。

「…みんな…ありがとうっ」

 

 その日の夜。


「…あら、随分進んだじゃない?」

「うんっ…もうちょっとだよっ」

リビングのソファーで格闘するのぞみに、お風呂上りの母親が興味しんしんで話しかけた。

「…ねえ…ちょっと気になってたんだけど、それって誰かのプレゼント?」

明らかにひるんだように、手先が…止まる。

「…え?」

「だってあなた、今までそういうのとかって黄色・白・ピンクのどれかだったじゃない。どうして今度はブルーなの?」

「それは…」

 

そこまで言って、のぞみの顔がぼっと赤くなった。


「…ははーん…」

 

「…なっ…によ!?お母さんには内緒だからね!」

「はいはい。…ふふっ」


そういえばかつては自分も同じようなことをやったなあ…と昔を懐かしく回顧しながら、顔を真っ赤にする娘を眺める。


「わかんないとこがあったら聞きなさいよ?」


「…大丈夫だよ!自分で出来るもん!!」


「はいはい、わかりました。あんまり無理するんじゃないわよー?」

 

リビングに一人残され、ふいをつかれたまま固まる。
手に持ったそれに顔をうずめることで顔を隠そうとしたが、それが何であるかを思い出して、また顔が熱くなってきた。

 

「…××」
 

自分の声にまた恥ずかしくなってきた。
どんな顔されるかなんてわかんない。今は顔を思い出すだけでもこんなに恥ずかしいなんて…。
しばらくしてから、のぞみはおそるおそる、自分の手元を見下ろした。
……出来上がりは、もうちょっと先。